2011年02月10日

水木しげるのラバウル戦記


著 水木しげる
ちくま文庫
950円
1997年7月

水木しげるといえば、すぐに鬼太郎のような妖怪物が思い浮かぶ。

しかし、この本をはじめ、多くの戦記物も描いている。

水木先生が片腕をなくしたのは戦争で爆撃にあって負傷したものとのこと。

この本は漫画ではない。水木しげる先生が戦争中に現地で描いたデッサンを中心に、解説の文章をつけたものである。

戦争の重苦しい雰囲気と、水木先生の朗らかさが入り混じった雰囲気がよく伝わってくる。

特に印象的なのが文章の中にちょくちょく登場する哲学的な考え方だ。

水木先生がゲーテを愛好していることは有名だが、

その他にも随分たくさんの哲学書を読んでいたと他の本で読んだことがある。

それら哲学書からの影響によるものかもしれないが、

戦争という今の日本では特殊になっている状況の中で、

哲学的思考が水木先生の心を支えていたのだろうか、

などと想像が膨らんでいった。


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2011年01月20日

のんのんばあとオレ


著 水木しげる
講談社漫画文庫
650円
1997年7月

昨年から水木しげる氏の自伝的作品は文章で何冊も読んできた。

しかし、これまでのどの自伝よりもこの「のんのんばあとオレ」が面白い。

考えてみれば水木しげるは漫画家なんだから当然である。

この漫画の中で一番気に入ったのがしげーさんの父親だ。

勤め先を何度もクビになったり、趣味が高じて映画館経営に乗り出したりと、ダメ親父っぽい。

しかし、浮世離れしているようで、子供のことをよく見ている。

こういう父親が多くなれば自分の好きなことをして一生を過ごせる人が増えるのかもしれない。

なかなか真似できないが、理想に近い父親像として記憶にとどめておきたい。



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2011年01月01日

屁のような人生




著 水木しげる

角川書店

4,700円

「水木しげる生誕八十八年記念出版」と記されている。

昨日の紅白でも奥様が審査員で登場したり、昨年は「ゲゲゲの女房」などで、

一年間かなり忙しかったことだろう。

さて、この本は「ゲゲゲの女房」などで水木しげるマンガが鬼太郎だけでないことを知り、

河童の三平や悪魔君なども読んでみたいという方にはぴったりだ。

水木しげる自身の文章と、関係者の文章の他は

水木マンガのオムニバスのようになっているからだ。

ちなみに、うちに息子と二人で「これが一番面白い」と盛り上がったのは「テレビくん」だ。

テレビくんの優しさが貧しい少年の生きる力になる、というのが心に沁みるのだろう。



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2010年12月17日

水木しげるの遠野物語

著 水木しげる
小学館
1238円

原作は柳田國男の「遠野物語」。

これを「ゲゲゲの鬼太郎」の水木しげる氏が漫画化したもの。

語り部達が語り継いできた昔話の数々が少し怖くて、それでも懐かしい感じ。

起承転結には関係なく描かれるストーリーは、これで終わり?という感じのものもいくつかあるが、

それがなんともいえない「味」をだしている。

河童誕生の切ないお話があったり、得体の知れない生き物達は悲しい実態から発生していたりする。

漫画といえどもワハハ、とは笑えないが、水木氏の絵にマッチしていて面白い。


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2010年11月16日

新潟の妖怪


著 高橋郁丸
考古堂
1200円

朝の連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」も終わり、妖怪ブームもそろそろ終わりかという時に手に取った一冊だ。

著者の高橋郁丸さんは良寛さんや酒天童子など新潟県に密着した題材のマンガなどの著書がある。

一般的な妖怪の本には妖怪ごとにきちんとしたストーリーが設定されていると考えていたが、本書はそうではなかった。

「臼負い婆々」などは臼を背負って海から登場するというとんでもない現れ方をしておいて何もしない。普通、人を食ったり、海に引きずり込んだりしそうなものだが何もしない。

こういうところが、妙にリアルさを感じさせる。

「新潟の妖怪」だから当たり前なのかもしれないが、知っている池や山、地名が出てくるところも面白さを倍増させていた。

ああ、もっと早く知っていればもうちょっとよく見ておいたのになぁと思う地域もたくさんあった。

そういう意味では新潟県に住んでいたことがある、という方にはとても楽しめる一冊だと思う。


posted by okapi at 16:25| 新潟 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 妖怪 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年05月26日

お父ちゃんと私



著 水木悦子
株式会社 やのまん
2008年 3月

この本のプロフィールによると、著者は水木しげる先生の次女。水木プロダクション勤務。

テレビドラマ「ゲゲゲの女房」から、水木しげる先生の関係図書から妖怪関係まであちこち

興味が飛んでいる。

以前、紹介した水木先生の著書と同じ話題もあちこちに出てくるが、著者の悦子さんが

から見ると水木先生の「わが道を行く」ぶりが良くわかり面白い。

恐らく、悦子さんも才女であられるであろうに、この本では「凡人」に徹しているので、

その対比がこの本の面白さを際立たせている。

私のお気に入りは水木先生が妖怪の存在に疑問を持ち、

漫画を書く意欲をなくしてしまうエピソードを書いたもの。

水木先生の妖怪に対する本気さが伝わってくる。

飄々としているようで本気で漫画に取り組んでいる

姿が眼に浮かぶ。


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タグ:ゲゲゲ
posted by okapi at 05:56| 新潟 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 妖怪 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年05月16日

「怖い」が、好き!



著 加門 七海
よりみちパンセ
2010年3月

「ゲゲゲ」繋がりで読んでみた。

色々なところに興味を持ち、あちこちへ手を出して一つも物にならない、

悪い癖と思いながらも止められず、興味のままに本を読んでしまう。

「ゲゲゲの女房」の中で「怖いけど懐かしい」というような台詞があったが、

この本はその感覚を思い出させてくれる。

家の中にある「隙間」を恐れる気持ち、お墓参りの時に感じた先祖、幽霊、魂

といったことを心に思いながら、口に出せない気持ちなど。

畳の縁や敷居などを踏んではいけないのは、そこには「何か」がいるから

怒らせてはいけない、と昔の人が考えていたからとか。

そう、何かと何かの「境界線」は気をつけなければいけない。

こうした、「現代科学」を持ち出すと全く白けてしまう分野に思う存分

浸れる時間を過ごせる読書となった。


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2010年05月06日

ねぼけ人生



著 水木しげる
ちくま文庫
1999年7月

NHKの朝の連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」をみている。

水木しげるの飄々とした雰囲気が楽しく、本人に興味を持った。

妖怪の類は「デビルマン」で子供の頃に興味を持ったことがある。

このドラマの影響でまた、そちらのほうにも興味がわいた。

この本は水木しげるの自伝だ。

ついドラマと見比べてしまう。

この本を読んで気がつくのは「朗らか」などちょっと

読みにくい漢字が「ホガラカ」とカタカナになっていること。

これは水木先生がどのような意図でこうしているのか

分からないが、この表記方法がなんとも文章の雰囲気を

ホガラカにしている。

文中に何度もこの「ホガラカ」が出てくる。

水木先生もこれは意識して使っておられるのではないだろうか?

きっと水木先生が「ホガラカ」な方なのだろう。

そんな自伝の中で真面目な部分

「人間が生きているということには自分の力以外に

そんなものの力が作用しているのか知れない。

自分の意志以外の様々な要素が自分を生かしているとしか

考えられないことを軍隊生活では如実に体験した。」

というところに水木先生の人生に対するホガラカさの源泉

を感じた。

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posted by okapi at 11:18| 新潟 | Comment(1) | TrackBack(0) | 妖怪 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする