2012年12月31日

堕落論

 

著 坂口 安吾 
角川文庫 
380円 
昭和32年5月 

実はこの本は私が大学生の頃に購入した本だ。 

最近、以前買い求めて読んでいなかった本を引っ張りだしてきて

読むことが私の楽しみになっている。 

以前は途中まで読んで投げ出してしまった本が

最近は楽しく読めるようになっている。 

もう20年以上前に買った本ではあるが

これを買った理由は明確に覚えている。 

当時太宰治に夢中になっていた私は

新潮文庫の太宰をすべて読み終え、「次」を探していた。 

そこで「デカダン」つながりであり新潟出身の安吾を選んでみた。 

しかし、大学生の私を魅了するものはなかったようで

途中で投げ出してしまっていた。 

表題の「堕落論」の「生きる」姿勢といい、

太宰や小林秀雄などの作家論といい、

どれも面白く読める。 

実は先日太宰作品の中で一番はじめに読んだ

「人間失格」を再読したのだが、

今回続けざまに安吾を読んで思ったのは太宰は女、

安吾は男というイメージであるということ。 

太宰は弱く脆いイメージがあるが、

安吾は強くたくましい。 

20年の歳月が受け入れる幅を広げたのか、

それとも途中で趣味が変わったのかわからない。 

ただ、今は安吾の力強さがすがすがしく感じられる。













タグ:坂口 安吾
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2012年07月04日

銀河鉄道の夜



著 宮沢賢治
 角川文庫 
390円 
昭和44年7月

 本書は角川文庫の賢治童話集第三の位置づけらしい。 

以前確か新潮社の朗読CDにて「注文の多い料理店」を聴いたことがあり、独特な世界観に興味を持っていた。 

表題の「銀河鉄道の夜」の他に10のお話が入っている。 

仏教的なもの、キリスト教的なものとあり興味深い。

 トルストイの作品の中でもキリスト教思想に基づく民話が好きなこともあり賢治のこうした作品集にも興味がある。 

トルストイの民話を題材にした作品に比べわかりにくいところもあるがその分想像力が働く。

 トルストイは神の奇蹟を思わせるようなものが多いが、この本には無常を感じさせる話が多い。

 昨年の大地震で東北出身の宮沢賢治が再注目されているようだが

宗教的普遍性を持ち合わせている作品であるが故にたびたび人々の心に浮上してくるのだろうと思う。



 




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2011年02月23日

続あしながおじさん


著 J・ウェブスター
新潮文庫
514円
昭和38年8月

記憶があいまいですが、昨年読んだ山本ふみこさんの本では「続」のほうが面白い、

というようなことが書いたあったような気がする。

だが、「続」を読んでみると、ただの「あしながおじさん」のほうが面白かった様に思う。

というのも前回同様の終盤での展開が、「続」では途中から(いや、かなり序盤から)この方と最終的に・・・・・・と想像し、

構えてしまうから、あーやっぱりとなってしまう。

とはいえ、手紙だけでストーリーを展開しているという面白さは前回同様と感じた。

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2011年01月21日

あしながおじさん


著 J・ウェブスター
訳 松本恵子
新潮文庫
400円
昭和29年12月

こういう作品に私ごときが感想を述べるつもりはない。

したがって今まで、こういう名作に関しては当ブログではあまり取り上げずにスルーしてた。

しかし、年月を経て読み継がれている名作こそ優先して読むべき書物ではないかという思いが強くなり、

自分流に心に残った文章などを記録することにして紹介していくことにした。

「(略)誰にとっても最も必要な要素は想像力(略)」P113

「(略)幸福になるほんとうの秘訣を発見しました。それは現在に生きることです、

いつまでも過去のことを悔やんだり、未来を思いわずらったりしていないで、

今のこの瞬間から最大限度の喜びを捜し出すことです。(略)」P158

「人生は最良のものでもかなり単調なものです。」P183

主人公の気分に合わせ、こちらまで浮かれたり、落ち込んだりできる楽しく読み易い小説だ。



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2010年06月05日

びんの悪魔



著 R・L・スティーブンソン
訳 よしだ みどり
画 磯 良一
福音館書店 世界傑作童話シリーズ
2010年4月

最近はツイッターの呟きが自動投稿されるので、つい本編がサボりがちになる。

著者は「宝島」を書いたR・L・スティーブンソン。

この「びんの悪魔」もきっと読んだことがある方が多いのではないか?

何でも願いが叶う悪魔が入っているびんがある。

持っていればなんでも願いが叶うが、死ぬ時まで持っていると持ち主は地獄へ落ちる。

地獄へ落ちないためには誰か他の人に売らなければならない。

他の人には、自分が買った値段より安く売らなければならない。

そして、持ち主が変わるたびに、どんどん値が下がる。

もし、あなたのところに売りに来た人が「1円で買ってください」ときたら、あなたどうする?

もし、あなたの大切な人がそのびんを2円で買ったのをあなたが知っているなら、

その時あなたはどうする?

と、まあ、こんなお話だ。

私も、子供の頃に読んでいると思うがはっきりと覚えていない。

最近、すっかり気に入っているトルストイの「イワンの馬鹿」などもそうだが、

童話にはいいお話がたくさんある。

子供にだけ読ませておくのはもったいない。

いや、大人になってからのほうが色々と深く考えるので為になるのではないだろうか。

それに大人になる過程で忘れてしまった大切なことも思い出させてくれるような気がする。

訳者のよしだ みどりさんのあとがきも面白い。


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2010年03月18日

ゲーテ格言集



編訳 高橋健二
新潮文庫
昭和27年6月

最近は「新訳」、「超訳」などがちょっとしたブームと

確か昨日のNHKのニュースで話題になっていたと思う。

確かに、「古典」といわれるものは難解でとっつきにくい

物が多いのかもしれない。

だけど、「難解」を頭に汗しながらゆっくり読み進む

ということで、さらさらお茶漬け食べるように読むのとは

違う頭への作用があるのではないだろうか。

私自身が「社会人」と呼ばれるようになってから「速読」など

「効率」ばかりを追求してきたし、そんな本ばかりこの

20年近く読んできた。

今になってあわてて学生のころのように「文学」に取り組ん

でいるけれど、「ビジネス書」のようにすらすら読めない。

だけど、一冊、一冊がとても楽しめる。それに、ちゃんと一冊、

一冊頭に、心に残っていると感じる。

恥ずかしながら、このブログの記事を読み返しても、(あれ、

こんな本読んだっけ)というのがいくつもある。

きっとこういう通り過ぎてしまった本も「自分」のなかに

何かの風味は残っていると思うけど、最近はもっと

濃いエキスが残る読書もしたいと思っている。

大きく脱線してしまった。

この本は大丈夫。「超訳」の本を読んだことがないから

比較はできないけれど、文章自体はそんなに難しくない。

それに、若月公平さんのカバー装画もカッコいい。

一度読んで(よくわからない)というのもあるけれど

そこは「古典」だからちょっと頭を使って読む。

けど、格言集だから、もしわからなかったら跳ばせばいい。

ストーリーがあるわけじゃないから今度読んだ時に理解

できればいいやって感じで。

私が気に入ったのはちょっとひねった感じの格言が多かった。

実はブックオフの半額セールで購入したこの本は

130円で手に入れた。

ビジネス書の十分の一の値段で十倍楽しんだ。

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2008年03月03日

フランクリン自伝

著 フランクリン
訳 渡邊利雄
中公クラシックス
1550円

「シゴタノ」という仕事を楽しむ為のサイトで紹介されていたので興味を持って読んでみました。もっとも、そちらでは岩波文庫版を紹介していたと思います。
人生においてよい習慣をつけるための工夫の13の徳目の樹立、のところが前出のサイトでは紹介されてましたが、確かにそこだけ細かいノウハウが紹介されています。
その他のところも面白いのですが、やはりビジネス書というよりは自伝です。
それでも、勤勉は大切である、などの処世術は紹介されている。
13の徳目はそのまま利用しなくとも、現代風にアレンジして、「運動をした」とか「子供たちとお話をした」などにしてもよいと思う。
完璧にはできなくともそれに近づき、少しはましになり、それでいい人生を送る。
人生とはそういう物なのかも知れないですね。

posted by okapi at 21:56| 新潟 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 名作 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年03月10日

ヴェニスの商人

作 シェイクスピア
訳 中野好夫
岩波文庫
460円

とても久しぶりに岩波文庫を手にしました。
シェイクスピアなんかを読んで薀蓄でも垂れると女の子にもてるのでは・・・・・などという下心で読み始めました。というのは嘘で2月4日に紹介した「これから10年長期投資のロードマップ」にこの本が引用されているのを見て興味をもったという次第です。

正直に言うと岩波文庫は最後まで読みきれない本がたくさんありました。いわゆる古典ですので、表現が硬かったり内容が難解だったりします。でもこれは大丈夫。舞台の台本風になっているので文字数も少ないのですぐに読み終われます。ストーリーも単純でそこそこ面白い。

この本を読んでいると「ユダヤ人は金利を稼いでキリスト教でも無くとんでもない奴」と表現されている事に驚きます。
「これから10年長期投資のロードマップ」でも紹介されていますが金利を稼ぐシャイロック、いくつもの船に分散投資をし、莫大な利益を狙う投資家アントーニオ、という構図で読んでいくと株式投資に興味のある方にもこの文学作品が面白く読めます。
最後に女達の企みにまんまと嵌る男達、これは今も昔も変わらぬ男女の関係を表現しているようでこれも噴出しそうになります。

さて、夜のお店に繰り出して女の子に薀蓄でも垂れて口説こうか、と思っていたらとある理由でお医者様に禁酒を申し付けられてしまいました。
畜生!!
posted by okapi at 05:10| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 名作 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年11月27日

残された人びと


著 アレグサンダー・ケイ
訳 内田庶
イワサキ ジュニア ベスト ノベルズ
880円

最近20何年かぶりに再放送が始まったNHK教育 木曜日 19時20分「未来少年コナン」。
このアニメ(昔はテレビのアニメも漫画と言われていたと思う)の原作です。
地元の図書館にあったのですがかなり古い本ですので出版社や値段は当てにならないと思います。
最初にこのアニメが放送された時代は今になって思えば日本各地での公害問題や冷戦中の中の核兵器などが人びとの心配事で正にタイムリーに問題提起を行ったということでしょう。
また、現代においてもイラクの戦争、各地に被害をもたらす天災等を背景に再放送に踏み切ったのではないでしょうか。
原作は多少テレビとは違いますがかなり雰囲気は近いものがあると思います。
私が気に入ったのは「あとがき」にも書いてありましたが「え、ここで終わりなの!!」
というような終わり方です。こうなっていることでその後を読者は勝手の想像しなければなりません。こういう不親切さがとても新鮮に感じられました。
それにしても久しぶりに小説を読みました。小説も良いですね。
posted by okapi at 22:32| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 名作 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする